大人気著書「きれいな肌をつくるなら、赤いお肉を食べなさい」でお馴染みのあいこ皮フ科クリニック院長、柴亜伊子先生に直撃インタビュー!

ブログやインスタで、柴先生の食事内容なども配信、男女問わず多くのフォロワーさんから支持されています。お医者さんの立場から、「食」の大切さについて語って頂きました。

京あいこ皮フ科クリニックの院長、柴亜伊子先生

Q:なぜお医者さんになろうと思ったのですか。

柴先生:最初はね、ブラックジャクになりたいと思いました。親に医者になりたいって言ったら、渡りに船と思ったのでしょうね。小学校1年生の時でした。特に母親は「わーっ!」って大喜びで。

親が言うには、私は最初研究者になりたいって言っていたみたい。科学の本が好きでしたね。親は私が生まれて間もない頃、占い師に相談したら、「医者になる相がある」って言われていたから、キター!って感じたみたいです。

漫画のブラックジャックが好きでした。ブラックジャックになりたかったのは、形成外科、つまり見た目を変える、ってことに興味があったからだと思います。

大学病院では成外科を専攻しました。でも医者3年目で、いろいろ迷って、形成外科かから皮膚科に変更しました。担当の先生が形成外科しながらでも皮膚科を学べるよ、ということでしたが、全然やっていることが違ったから。

Q:皮膚科はご自分にあっていましたか?

柴先生:皮膚科は、治療効果が見た目で分かりやすい。内科は検査しないと判断がつかないですよね。見た目で診断がつく唯一の科が皮膚科だと思いました。皮膚科は本格的にやると、慢性の病気、難治性のアトピー性皮膚炎、尋常性乾癬のような、皮膚科の大きな病院に入院が必要な病気がたくさんあります。しかも、保険診療では治りません。コントロールするっていうか、ステロイドをたくさん使うし、その副作用もあるし、でも患者さんは根本的によくなっていかない。そんな思いを抱えながら続けていました。

形成外科は全部が手術できれいになるわけではないけれど、見た目で改善がわかりますよね。でも皮膚科の多くは慢性的なものを扱うから、実は形成外科とは全然違いました。悶々としていましたね。う~ん・・・って。鬱傾向になる同僚が多かったです。特に女医さんは。

Q:皮膚科から美容皮膚科に移行したきっかけは?

柴先生:美容皮膚科は、健康な方が対象になるから、落ち込みにくい、どーんと悩みにくい。

しかも、形成外科を学んで3年、その後は皮膚科をしっかり学びましたから、もう美容皮膚科に専念してもいいかなと思いました。

美容皮膚科をする上で、皮膚科の知識が大事になります。がんとか、顕微鏡で見たらどうなっているのか、どう治療の方針を考えるべきか等、皮膚科の知識が大いに役立ちます。

ブラックジャックの流れで、ビフォーアフターが分かりやく、レーザーなどは緻密な設定に凝ったり、一つ一つの毛穴やシミの変化を診ていくのが非常に好きで興味を持ちました。

Q:食に対する興味はいつから?

柴先生:食べるのは小さい頃から好きでした。作るのも好きで、グルメ漫画とかよく読んでいて、出てきたレシピをちょっと作ってみたりして。ただ医学には直にはつながらなかったかな。

途中から美容皮膚科専門になって、肝斑というやっかいな、難治性のシミがあって、対応していくうちに、スキンケアをちゃんとしたら肝斑がよくなったんです。レーザー当てるからどうのこうのではなく、スキンケアの重要性に気が付きました。

Q:オーソモレキュラー療法との出会いもその頃ですか?

柴先生:スキンケアを患者さんにしてもらおう、としたら話に時間がかかりますよね。雇われの医者は、一人一人の患者さんに時間を割くことができません。もっとゆっくりちゃんと説明したら患者さんが良くなるのに、と思ったら開業しかなかった。

スキンケアを中心に、レーザー等の光も使いますが、患者さんもどんどん良くなっていきました。けれど、長く通っていると頭打ちしてしまいます。赤ら顔とかなんでもそうですけど。これって医療の限界なのかな、って。レーザーを変えたらどうにかなるのか、って話ではないような気がしていた頃、オーソモレキュラー療法という考えに出会いました。

肌を作っているのは結局口から食べた物。その考え方を取り入れて、患者さんに食事指導や、サプリを出したり、血液検査したりして、「こんなに足りてない。こんな風になっている。」と分かって、体の中をちょっと整えたら、治療効果に頭打ちしていた患者さんがポンとよくなったんです。スキンケアもいるけど、栄養も大事だな、って実感しました。

Q:栄養と医療は別の領域で語られることが多いですよね?

柴先生:昔の方が薬はなかったんですよ。からだをサポートする薬はありました。昔の本でたくさん素晴らしい本があります。管理栄養士で宗像信子先生とか。プロフィール|ヘルスプランニング・ムナカタ (munakata.co.jp)

例えば、胃腸の悪い人、下痢が止まらない、便秘もそう、胃潰瘍や十二指腸潰瘍もそう、あまり劇的に治る薬がなかったから、食養生をしないと治らなかったんですよね。食養生しかなかった。

胃腸に負担がかからない食事って、お粥ばかり食べていても病気治らないでしょ。絶対にたんぱく質はいるから、胃腸に無理なく、たんぱく質、お肉、卵、魚を摂って、病気を治そう、というアプローチが主流だった。もちろん医者が監修しているし、ドクターが栄養のことを語るのが当たり前だった時代が30年前くらいまで存在していたはず。

でも私が学生の頃だったか、医学の発達で、対症療法の強い薬がいろいろ出てきてから、とりあえず患者さんの不快感とかはすぐにおさまるから、食事で病気を治そう、役立てようとは言わなくなったかな。薬中心の医療の時代になっていきました。

Q:確かに、現在お医者様が、病気のことでなく、食のことを語ることはあまり無いですよね。

柴先生:欧米には栄養医学があるらしいですね。日本はない。そこが違いますよね。

医者が食事と栄養について勉強してない、する気もないのが現状かと。なにより医者自身の食べているものがコンビニとかパンだけとかカップラーメンだけとか。指導できるわけがないですよね。医者の栄養状態も患者さんくらい悪いのに。

日本人の患者さんは、検査や薬が欲しくて病院に来る人が多い。そんな人に食事の話をしても、やっぱり通じないことが多いんですよね。食事の大切さに気付いてくれる方は半分くらいかな。

時々検診もやるんですが、人間ドックに来る人は会社から無理やり受けさせられているから、病院に行きたくない人がほとんど。

診察で相談されて、これは病院に行った方がいいですよ、というと、いや、そんな酷くないですよ、と言い出す。要は大丈夫ですよ、と言ってもらいたい。それくらい病院に行きたくない。

レバーと魚増やして、漢方薬を試してみては?お菓子控えて、ご飯とみそ汁の定食にしたら?というと意外に素直に聞いてくれる。病院には行きたくないから、食事でなんとかなるのであれば教えて、って感じです。実践しているかどうかは分かりませんが、思い当たることがあるようで聴いてはくれます(笑)。

Q:医者として、食の大切さを伝える上で、嬉しかったこと、ありますか?

柴先生:日常茶飯事にありますよ。ちょっとした食のアドバイスをその人なりに実践してくれて、1か月後来て、改善したと言ってくれる方もいらっしゃいます。お魚、卵、お肉をちょっと増やして、肌の調子や体調が凄く良くなった方はたくさんいらっしゃいます。

Q:年齢を重ねていくうえで、働く女性として気を付けていたことはありますか?

柴先生:大学病院にいた頃は、皮膚科は女医さんが多かった。特に私の時代は。鬱っぽくなる人とか、突然来なくなる女医さんとかね。貧血や鉄不足が原因だったと思います。当時は分からなかったけど、今考えると食事をちょっと直せば、元気になったんじゃないかって。食事って大事ですよね。私も全然できていませんでした。精神的にも肉体的にもかなり限界を感じてました。でも検診ではなにも引っかからない。今はいろいろ見直して、いろいろと食事と栄養で解決できることが増えました。今では毎日がワクワクします。可能性を無限に感じる。もっと早くに気づきたかったです。

Q:昔は日本人の肌は世界一キレイと言われていましたよね?

柴先生:いつの頃からか、日本人は世界一の敏感肌、みたいになっちゃって。すごく悲しいです。韓国や中国は、摂取カロリーはとっくに日本を抜いてるし、お野菜やたんぱく質もいっぱい食べますよね。

Q. 韓国は牛肉を平均17キロ、日本人は8キロ。欧米人は5-6倍くらい食べています。欧米人の皮膚は強い!やっぱりキレイな肌を作るなら赤身肉を食べなさい、ですね!

Q:人生100年時代、50過ぎたら、第二の人生。トレンドに流される、細いのがいい、とかいう人が多い。50歳になったら食を見直いい機会だと思いますか?

柴先生:トレンドやマニュアル本に流されないのが、大人の女性の流儀だと私は思います。年を重ねれば、個別対応が必要になる。実は隠れている病態や病気がいろいろあったりします。患者さんは、食の大事さには気づいてくれたけれども、私がおすすめした食事を試すこともなく、自己流でやったり、いろんな考え方を混ぜてしまう人も多くて、患者さんが実践することの難しさを感じています。

50歳過ぎたら自己流でやるのではなく、専門の医師に食事の相談を。自己流でうまくいっていない人はぜひ医療のサポートを受けてほしい。知識も大事ですが、いろんな考え方があるので情報の取捨選択と普段の料理を自分にどう活かすのか、が大事で、お金払って難しい栄養セミナーに申し込んだけで満足するのはちょっと違うかなと。

栄養足りないから、お金払ってサプリ買えばえいい、自炊とかの努力はしたくはないって安易に流されてしまう人も多いんですが、まずは、情報の整理と食べるべきもの、できるだけ避けたいものを知って、毎日の食事に活かす。いきなり極端なことはしないこと。胃腸に負担をかけていないかどうか、糖質の割合が多くなっていないか、栄養のバランスがとれているのかどうか振り返ってほしいです。

40~50代だけでなく、若い人の方が深刻かも。先日大学生の検診に行った際に、真っ白なぐらいファンデーション塗っているけど、顔色が悪いし、男女関係なく。肌がびっくりするぐらいガサガサ。20前後の子たちだけど、血圧が高い子が多い。話を聞いたら。お菓子、パン、ラーメンばかり食べているって。ご飯とおかずの定食風にしたら?と大勢に言いました。若い人って病院に来ないし、検診にも来ないと気づけない。せっかく病院受診しても検診うけても指摘されなかったり。。30、40、50歳になったら、肌も体もボロボロですよね、きっと。とても心配。若いうちから食の知識を持って活かしてほしい。

Q:たんぱく質を意識的に食べている人、増えていると思いますか?

柴先生:ちょっとお肉食べてくれる人が増えた気はしますよ。でもお魚は増えてない。最初のきっかけは美肌、美白でもいいかなぁと思います。お肉を食べるきっかけになれば。そしたら、うまくいかない人出てくるじゃないですか、無理して食べるとか。肉ばっかりとか、それで胃腸に負担かけて肉から離れていく人いますよね。なんで自分は肉を食べられないのか、と自分で調べて、やっぱり一度に食べ過ぎだな、肉だけではダメなんだな、って気が付いてほしい。

Q:先生の著書で、助けられている方たくさんいらっしゃいますね。

柴先生:地道な活動ですよね。ブログやSNSも。検診に行くと、悩んでいる症状相談されたり、クマがひどい人が多くて、以前のデータ見たら隠れ貧血だと思って、「貧血や立ち眩み無いですか?」って聞くと、やっぱり心当たりがあるって。赤身肉やレバー、魚介類食べた方がいいですよ、って言い続けてます。やってくれるかどうかは分かりませんが、その方がよくなったら、お友達にでも広げてくれるかなぁ、と思って。本当に良いことってなかなか広まらない。大規模に宣伝する企業もないし、企業が儲かることは大々的に宣伝されてるし、その情報が常識になる人も多い世の中なので、地道な活動しかないですよね。とりあえず気づいた人から順番に!と思っています。

柴先生のお話いかがでしたか。食を見直してみる、少しだけ意識してみることから始めてみるなら、今すぐできそうですね。そして実践!少しずつ一緒に頑張っていきましょう。

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柴先生の著書「きれいな肌をつくるなら、赤いお肉を食べなさい」

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