bfキレイのコラムにて、300を超える栄養・美容・レシピを紹介!エディターの松本千枝子さんに直撃インタビュー!

「穏やかで、丁寧な暮らしはマネしやすい!」と好評のコラムを300以上も手がけた松本千枝子さんに、食をより楽しく、美味しく味わい、元気でキレイになるための秘訣をお伺いしました。

エディターの松本千枝子さん

Q :食をお仕事にされたことに、きっかけは何かありましたか?

松本さん:新卒で流通業の会社に就職したのですが、その業種を目指していた訳ではなく、当時は女性を広く採用している所が少なく、限られた選択肢の中からその会社を選びました。するとその会社が生活情報誌を立ち上げる事になり、新しい事業部が設立され、そこに異動になりました。

子供の頃から授業中に手を挙げることも苦手な、引っ込み思案な性格なのですが、そんな私が自らの意志とは関係無く、会社組織内の異動によってエディター、エディトリアルという世界に足を踏み入れる事になったんです。

Q :当時女性の採用枠は少なかったから、相当な倍率だったんじゃないですか?

松本さん:そうですね、当時は事務職と総合職という区別もありました。ただ、私が就職した頃は流通業にとってはいい時代だったので、男女の賃金差はなしでした。

会社に錚々たる学校出身の女性がいる事には驚きましたね。流通がもてはやされた時代でもあり、女性の待遇の良さが、対外的なお飾りになっている、そんな事を感じさせる時代でした。

Q :生活情報誌の編集をされていて、そこでは食が中心だったのですか?

松本さん:食と、暮らし周りが中心でした。30代をターゲットにした生活情報誌なので、女医さんを訪ねて、月経前症候群や肩こり、日焼け対策等の取材をしたり、お掃除や、キッチン、インテリア等々の生活情報全般を扱ったり。

後は、旅ですね。地方を、観光地を訪ねて、“ようこそ〇〇へ!”というように、その土地や名産品を紹介する旅特集も、いくつか担当しました。

Q :就職する前から食に関して興味はあったのですか?

松本さん:小さい頃は未熟児で、皮膚病に掛かりやすかったですね。ただ田舎育ちで添加物が少ない、時期の、旬の野菜や魚を食べる環境で育ったので、食事が皮膚の状態や健康に大きな影響を与えるという感覚を、自然に身に付ける事ができました。

家の周りのフキノトウを採って蕗味噌にしたり、天ぷらにしたり、春は菜の花、摘み菜を採って食卓に並べたり、そういう世界で育つ中で、食を大切にする意識が育まれていったと思います。

Q :小さい頃からお料理は好きでしたか?

松本さん:好きでしたね、見てるのも手伝うのも。生家は海無し県だったので、鯉を食べる習慣があり、父が鯉のうろこを取り、頭を取り、肝を潰さないように捌くのを見てるのが楽しくて。隣で「やらせて、やらせて」って言ってよく邪魔をしたりして。

後、叔父が狩猟をやっていて、ウサギや雉子をよく捕ってきたんですよ。命の儚さを感じる気持ちとはまた別の感覚として、純粋に生き物を奇麗に捌き食する事で、新鮮な味を知ったり、食べ方を知ったりする事を覚えました。

父は出張が多い人でもあり、小さい頃から、例えば北海道土産のジンギスカンやヨーグルトを食べる事などができて。今思うとシンプルで余分なものが入っていない、新鮮で自然な食に囲まれていた環境でしたね。

Q :社会人になってからの食生活は?

松本さん:東京に出てきて独り暮らしを始めた頃は、ケーキやスナック菓子、チョコレート等々食べたいものが食べ放題で、そんな生活をしていたらアトピーが出てしまいました。食事の影響なのか、田舎から都会に出てきたストレスなのか原因は分かりませんでしたが、そこでちょっとだけ食に気を使うようになり。ただ独り暮らしで、仕事にも追われていて、十分には気を使えず、就職して半年も経たないうちに内臓を悪くしてしまいました。

Q :それはストレスとかからですか?

松本さん:そうだと思います。入社して半年経たないくらいで、強い痛みを感じるようになり、お医者さんに行ったら胆嚢炎と診断されて。お医者さんから、「この年齢で胆嚢炎になるのは、まずストレスからですね」と言われました。

体調を戻す為に生活を見直すようになったのですが、食事に1番気を使いましたね。天ぷらなどの油ものや、スナック菓子を食べると、痛痒さを感じたり皮膚が荒れたりして、その辺のものが全く食べられなくなり。それで精進料理みたいな生活を続けたら、体調が改善されていきました。

外食は添加物をはじめ何が入っているのかわからないので、体に影響が出るのが怖くて、あまり外食ができない時期もありました。自炊する事も多く、週に一度買い物をして、3つくらい副菜を作り置きして白いご飯を食べる、そんな食事が基本ですね。

Q :今のエディターというご職業は天職ですか?

松本さん:エディターという仕事の面白さは、知らないテーマを貰って、それを調べていくこと、掘り下げていくことだと感じています。ただ、若い頃は「限られた誌面の中でも、ここまで言わなきゃ読者に伝わらない!」って自分で思い込んじゃって、掘り下げ過ぎてしまったりする事もありました。

本当に時間的にも体力的にもハードでしたが、何かを形にしていく過程が楽しくて、楽しくて。誌面を作る為に料理家、カメラマン、ライター、デザイナーの方々とチームを組むのですが、皆さんお忙しいのでスケジュール調整には苦労しました。誌面のテイストを変えたい時とかは、新しいスタッフの方にオファーしたりして。

大変ですがやっぱり楽しいので、今フリーになっても続けていられるし、新しい方々や新しいテーマに出会えたり、映像のような違ったお仕事も手伝ったり、時代の流れについて行くのは大変ですが、エディターという仕事に常に引き込まれているような感覚です。

Q :20代、30代、40代と女性の体って変化していくと思うのですが、そんな中でどうお仕事と向き合ってきこられましたか?

松本さん:20代では、ストレスから胆嚢炎で体調を崩し、30代の時は1年に2回ぐらいとんでもない熱を出して、点滴を打って仕事を続けたりしたのですが、それを全部会社には隠していました。上司は女性の事だったのですが、彼女たちもそういう自分の体調面を表に出しませんでしたし、私としては田舎に引っ込みたくなくて、自分の社内でのポジションを果たす為に一生懸命仕事をしていましたね。

Q :そういう時って、休みの日にリフレッシュをされていましたか?それとも日々食事とか何かで調整していらっしゃいましたか?

松本さん:気持ちを切り替えたり、体調を維持したりするのに大切なのは食事ですね。編集の仕事はとても不規則で、ランチを必ず取れる訳では無かったので、朝は必ず食べるようにしていました。簡単な副菜に魚だけだったりもしますが、それだけでも体にも心にもいい影響を与えてくれます。

Q :料理っていつの間にか没頭しますよね。

松本さん:キッチンで野菜なんかを切っていると、気持ちがリセットできますよ。仕事がハードになればなるほど、寝る前にキャベツやキノコを切って、スープ用に準備しておいたり、コールスロー風にしてみたりとか。10年ぐらい前まではリフレッシュの為に、海外ものでも、日本の作家のものでも、とにかく本を読みました。でも、心は違う世界には行けますが、文字を読むことで頭を使っちゃうんですよね。ここはこの言葉がいいとか、こういう展開の方がいいとか、自分の“編集”という仕事に結びついてしまって。

フリーランスなのでお話をいただいたら、できるだけお断りしたくないので、常に一定の体調を保ちたいと思っています。その為に大切にしているのが食事と睡眠です。ただ、睡眠は仕事のスケジュールによっては、自分では何ともできない場合がありますよね。唯一、自分でコントロールできるのが食事で、体調にもいいし頭もスッキリするし、誰にも迷惑をかけないという、私にとっては一石三鳥ぐらいの効果があります。

Q :それは今胸にきました。自分でコントロールできるものなんて本当に少ないですもんね。

松本さん:朝起きて、自分が、自分の体が欲するものを、思うままにお味噌汁の具にしたりすることだけでも、気持ちが整いますし、自分が何を欲するかを知ることで、体の状態も把握できます。ただ、食べ過ぎると胃に神経がいってしまい眠気を感じてしまうので、自分にとっての適量を知る事も大切ですね。

Q :足し算のようなものではなくて?

松本さん:見てもらったら「はっ?」て思われるような料理ですが、シンプルで、いい意味で“引き算の料理”を食べています。

Q :体が欲するもの、体に良いものを食べることが一番ですね。それでも時々、無理してギトギトなものや、“映え”にこだわり過ぎたものを食べる事はありませんか?

松本さん:20代30代って体力もあるし、多少体のコンディションや肌のコンディションが悪くても気にもしないし、サプリや化粧品のように、すぐ効果を感じられるものを手にしがちですが、実は日々の食べ物が、食生活の方が体調に影響を与えています。食べ物で体はできていて、食べ物で体が変わっていく、そんな当たり前のことの大切さを最近感じています。今の若い人たちは周りに“映え”だったり、美味しかったり、食に関する情報がいっぱいあるので、“食と体は一体”という基本的な事を伝えるのが難しいですね。

ヨーロッパの取材を20年近く続けていて感じるのは、食って歴史、文化、自然環境、暮らし方とすごく密だということです。ドイツやオーストリア、スイスの、自然を大切にするビオの考え方って、環境はもちろんですが、自分の体を大切するということが根底にあると思います。

Q :日本人の女性の役割も変化してきていますが、料理を義務的に感じている女性ってまだまだ多いと思いますが、どう思われますか?

松本さん:日本の女性って、仕事を持ちつつご主人がいたり、お子さんがいたり、そして親にとっては娘だったり、色々な役割持っていてすごいなと思います。自分の頭や体を整理しないとできないし、大変なことですよね。ただ、視点を変えると、仕事と並行して他の役割をしているって、時間の使い方が上手いということです。それだけ色んな視線や視点を、視野の広さを持てる柔軟性を持っていらっしゃる事に、もっと自信を持って欲しいなってすごく思います。

Q :すごい面白い話を聞けました。ありがとうございます。自分が体を壊した時に考え方が大きく変わるかとか、食事は自分でコントロールできる数少ないものであるとか、色々気づかされました。

松本さん:朝タンパク質を食べる事を続けているのですが、体が元気になってきた感覚があります。体力が落ちると気も落ちるし、気が落ちると体も調子が良くない、そんな体と心がやっぱり一体なんだということがますます実感できています。

Q :ありがとうございます。朝の蛋白質に挑戦してもらっただけでもありがたいです。サイトをご覧になってるみなさんに一言お願いします!

松本さん:働いていらっしゃる、頑張っていらっしゃる方々に、一言なんていうのはおこがましいんですけれど、サイトを見ていただき「自分の好きなことやらせて貰っていて幸せです」っていう私たち制作側の気持ちに共感して貰えたら嬉しいです!

いつもおしゃれな松本さん

いかがでしたでしょうか。自分でコントロールできる「食」を味方につけることや、朝たんぱく質は、実際に松本さんが実践されているから、納得感ありありですね。変化の激しい世の中で、女性が自分らしく自信をもって生きていくお手本を見せて頂いた感じがしませんか。私たちも、一緒に楽しく、楽して、元気&キレイになりましょう♪